其ノ七十七 「異変あり 季節はずれの ハリケーン」
早くも台風が発生し、しかも日本を掠めるらしい。 五月にこんなことがかつてあっただろうか? 昨日気候が日々迷走を続けていることを書いたが、 この地球に何か大きな異変が起こっているような気が してならない。人間が自ら自然を破壊して来たことに よって生じた様々な異常なのだろうか。 かつて日本には世界に誇る美しい四季があった。 季節を感じては生の営みを慈しみながら生活をする ひたむきな日本人の姿があった。 季節ごとの行事も日本ならではの風習にのっとった 各地方特有の催しが行われてきたのだ。 そこには『生きることに感謝をし先祖や死者を弔う』 といった大きな意味が潜んでいて、生きている者の務め としての『祭り』が位置付けされていたのではないだろうか。 伝統や風習を受け継いでゆく大切な『人』としての任 務があればこその歴史だったのだと思う。 文明の輝かしい進歩の成果の傍らで忘れ去られてき たかもしれない『人間の生命の偉大な営み』を、今一度 我々の心に甦らせることが、新しい時代に輝きを取り戻す 手段だと考えるのだが・・・・・・。 昨日テレビで、昭和の骨董品の鑑定特集をやっていた。 僕らの小さい頃にはどこの家にもあったようなモノが懐かしく 並んでいた。今の若い人たちにとって「昭和」はひとつのブー ムらしい。 「レトロ」としてのブームもいいが、そこにあった 人間の偉大な知恵が生み出した生活用品の「人肌の温 もり」こそに価値を感じて欲しいと思うのだ。 季節はずれの台風が大きな災害をもたらすことがないこと を願っている。
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