其ノ七十五 「夢を売る 仕事の裏に たぎる汗」 2004年 5月18日(火) 其ノ七十六 「劇激と 過ぎ行く時は 矢の如し」
月曜日の夜、アンパンマンの絵作りのスタッフと飲んだ。 二十年近い付き合いになるのだが、ゆっくりと語る機会も 余りないままに来たので、妙に新鮮な時間だった。 アンパンマンのメインターゲットは幼児である。 五歳以下の層に支えられて大人気の番組なのだが、彼ら にはテレビのチャンネル権もないので、なかなか視聴率には 数字としてはね返って来ないらしい。 勿論映画も、入場料無料の層が中心なので劇場は超満 員でも興行収入には反映しないのが悩みの種なのだそうだ。 大人気の長寿アニメも、具体的な数字からでは「大ヒット」 との評価を受けにくくいろいろとご苦労もあったという。 一般的には信じ難い事実ではあるが、スタッフの努力と子供 たちへの熱い想いがここまで継続させてきた原動力なのだろう。 他にもまだまだ色々と問題もあって、これはアンパンマンだけに 限らず日本アニメ界に於ける根本的な問題で、作画に携わる アニメーターたちの生活が貧窮しているということだ。 苛酷な労働に伴っていかないギャランティーに、夢を断念せざる を得ないアニメーターも少なくないという現実はいかにも哀しい話 である。 日本のアニメーターは昔から世界的にも優秀だとされてきた訳 でその優秀の種が摘み取られていってしまうのは甚だ残念である。 せめてロイヤリティー面でのカバーは出来るのではと思うのだが・・・。 いずれにしても夢を産み出す裏には沢山の汗や血や涙がある のだと思うのだ。 それにしても毎日が早い。 大型連休が遥か彼方のことのように見えてしまう位に、毎日様々 な出来事や事件を伴って矢のように過ぎて行く。 晴れやかな五月晴れの日も少なく、蒸し暑い日があったり、急に 涼しくなったり、梅雨のような、夏の終わりのような、とりとめのない 気候で季節を感じる環境もないままに、五月も後半に入った。 いろいろリセットしたいと思いながらも、できぬまま日々を送ってし まう自分に『喝!』なのだ。
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