2004年
4月 1
日(木)
其ノ三十
「人生に 一回きりの 巣立ち式」
四月になった。
目映いばかりの陽射しが今日世の中に巣立つフレッシュマン達を 祝福している。
昨日と変わらない一日が始まったに過ぎない今日であるけれど、 彼らは確実にどこか違う血液が自分の体の中に流れ始めたのを 感じているに違いない。
それは、かつて自分たちが経験してきた入学や卒業、成人の儀式 とは違い、自らが、人生を自分の力で生活してゆく出発点に立った ことを自覚する最初の日なのだから・・・・・。
僕は今日、とある企業の入社式に招かれた。
CMの作曲をさせて貰ったのをきっかけに、以降そこの山崎社長に は大変懇意にして頂き、今回はそのご自分の会社のピカピカの新入 社員に向けての講演を依頼されたのだった。
緊張した八人のフレッシュマン達の顔、顔、顔。 どの顔にも、共通の決意がこもった「正」へのベクトル、そして「生」への ベクトルがみなぎっていた。
僕は自分が世の中に巣立った最初の日のことを思い出していた。
二十一歳。
まだ大学三年在学中の昭和五十年十一月二十五日が僕のたった 一度の巣立ちの日だった。
作曲家をめざして、音楽界の巨匠『いずみたく』氏の門を叩いたのだ。
「その日」の僕には、今、目の前にいる八人の若者達と同じように、 「正」と「生」のベクトルがみなぎっていたに違いない。 そして今でも、「その日」は僕にとってのかけがえのない原点である。 その原点を心の中に持ち続けていられたことが、これまでの様々な場面 を支え、いつも自分の拠り所になっていたと思う。
誰にでも必ずある、一度きりの巣立ちの日、「その日」は誰にとっても かけがえのない大切な「その日」であるということを、今日の八人のフレッ シュマン達の顔が改めて思い出させてくれたのだった。
漂う緊張感を断ち切るように語った、僕のメッセージは果たして彼らに 届いただろうか?
それは、これから彼らが作って行くであろう「ポテトチップス」が「日本一の ポテトチップス」になるのを楽しみにしていることにしようと思う。
がんばれ!ヤマヨシツンピリフレッシュマン!
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