2004年
3月23日(火)
其ノ二十一
「花冷えど 温もる弥生 宵の『トキ』
」
冬並の寒い日が続いている。
コート、マフラー、厚手のセーターと街行く人々の装いも 三月とは裏腹に真冬の出で立ちだ。
タクシー待ちの数分に心まで凍ってしまいそうな今日の夜だった。
社の一スタッフの誕生日でもある今日、明後日に控えた音楽朗読劇の リハーサルを終えてバースデー晩餐に臨んだ。
会社が始まって以来、スタッフの誕生日は欠かさずやってきた。
どんなに忙しくても、ささやかだけどスタッフに更なる一年を期した激励 を込めて、自分なりのスタッフへの感謝を表わす、一年に一度ずつのセ レモニーなのだ。
時にはいろいろと趣向を凝らし、当の本人には極秘裏に計画をする 楽しみもまた格別である。
今回はイベントのリハーサルが重なったりして、十分な仕掛けは出来な かったもののスタッフ「念願」の成城にあるお店を訪ねることが出来た。
「念願」というのがミソなのだが、有名人達の行きつけの隠れ家的なお店 の一つとして最近テレビでも紹介され、そして何とそのお店には我が娘が 三年間アルバイトとしてお世話になっていたのだ。
かつて一度だけ僕は食べに行った事はあるが、そこの創作鉄板焼料理は 超美味で、ユニークで、是非一度スタッフを連れて行きたかったお店だった。 場所的に自宅からは近いけれど、会社からは離れていることもあって、行く チャンスはなかなかなかったのだが、今日のリハーサルの場所が奇しくも、 偶然、喜多見という都心から離れた場所の区の施設になっていたのだ。 結果、誕生日を迎える本人も祝うスタッフも、地の利、時の利、人の利 のすべてが味方して、その「念願」を果たす事が出来たのである。
そして何とこれも偶然中の偶然、お店のマスターにとっても今日3月23日が 42回目の誕生日だったのだった。
図られたような夜が、僕達をひととき言いようのない温もりの中に浸してくれた 事は想像に余りあることであった。
うれしそうなみんなの顔があり、甲斐甲斐しく働く娘の姿があり、僕の心の中 は、花冷えの季節に訪れた一瞬の春満開の夜だった。
そのお店の名は『登喜(とき)』。
料理も酒も美味しく、マスターも素敵で、ママも明るく元気で、いうことのない お店だ。マスターが阪神ファンである事を除いては・・・・(笑)。
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