2004年
3月22日(月)
其ノ二十
「ダメダコリャ! 負けても冷めぬ ウララ熱」
「南国に 全員集合 春うらら」
今日も二句詠んでみました。
現在105連敗中の高知競馬所属の競走馬『ハルウララ』に中央競馬 のプリンス『武豊』騎手が今日初騎乗するとあって、南国土佐の競馬場 に、平日にもかかわらず、一万三千人が詰め掛けたそうだ。
負けても負けても懸命に走り続ける『ハルウララ』の健気な姿が、人々の 心を捉えたらしい。
勝って欲しいけど、負けても欲しいといった不思議な現象が起きて、遂に 今日は競馬ファン以外の人たちもその懸命な姿に御利益を、と売れた 単勝馬券(一着を当てる馬券)はなんと1・8倍のオッズだったらしい。
しかし、結果は言わずもがなの11頭中10着という結果であった。
頑張って生きるための「お守り」として、『ハルウララ・武豊』と書かれた馬券 は沢山の人達の財布の奥深くに大切にいつまでもしまわれて行くのだろう か。
『いかりや長介』さんが一昨日亡くなられた。
ザ・ドリフターズのリーダーとして一世を風靡した後、名優として数々の作品 を残していった彼は、本当に日本の映画放送の分野でスーパーバイプレ ーヤーだったと思う。
喜劇においても、シリアスな演技においても、記憶に残る名演技を残して 行った俳優として本当に惜しまれてならない。
僕も十数年前、彼が俳優として活動するようになった頃、初めて主役を 張ったテレビの二時間ドラマで音楽を担当した事がある。
『八月十五日の子供たち』という終戦特別企画のドラマだった。
戦地で敗戦を知った男の失望感を、終戦後の子供たちの底抜けな笑顔の中から、生きることの希望へと次第に転化させてゆく心理描写の複雑な役 だったように記憶している。
見事に演じ抜いた『いかりや』の名演技は新聞紙上でも取り上げられていた。 実はその記事に僕の音楽も『そっと情景にのせた秀逸な音』と評価されてい た事もあって本当に記憶に強く残る作品だった。
それから不思議なもので、僕もドラマでの彼を今まで以上に注目するように なっていた。
でも、もう二度と『いかりや長介』の名演は見られない。
心からのご冥福を捧げたいと思う。
今日の句は、ハルウララフィーバーを天国のいかりやさんが見たらどう詠うだろう かと思いながら哀悼の念を込めて書いたものだ。
本当に、ダメダコリャ!!!と嬉しそうに言っているのかもしれない。
合掌
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