2004年
4月 5
日(月)
其ノ三十四
「煩悩に 心コロコロ 凡夫の業(なみのわざ)
ヒトという生き物はとにかく厄介な代物である。なまじ知恵を与えられた故にああでもないこうでもないとあれこれ考えてはやめ、やめては考える。また、悩んでは諦め、諦めては悩むものだ。これも全て、凡夫である人間の成せる業所以なのであるが、それにしてもあれこれと尽きないものである。とかくヒトは自分が凡夫であることを忘れがちになって、自慢をしてみたり傲ってみたり他人を馬鹿にしてみたりして、自分が一番という傲慢な錯覚の幻想の中に自分を置く愚かな過ちを犯してしまう物でもある。何と哀しき生き物 であるのだろうか。今日、些細なことで悩んだ友人が訪ねて来た。彼にとっては全くもって活路の見えない問題ににっちもさっちも行かない気持だったのだろう。親しく活動していた仲間から理不尽な話を持ちかけられたという。彼はその意味を探ろうとするのだが一向に見えて来ない。よくある話であるがそこには明らかな落とし穴があるのだ。人間同志は往々にしてお互いに永遠を求めてしまう。寸分も違わない関係を知らず知らずのうちにイメージしていたりし てそこに見え始めた誤差に、焦り、苛立ち、過去の好かった時間の中に無理矢理戻そうとして、それが反って修復困難な事態を招いてしまうのである。諸行無常の人生には決して二度と同じ時間は有り得ない。時は確実に過ぎ、人間はそれぞれが確実に進化を遂げるものなのだから。流れる水も決して一所にはとどまりはしない。ヒトの心はコロコロと変わって行くのが常なのである。 熱く語り合った夜、悩んでいた友人は一瞬心のつかえが取れたような安堵の顔で、風に散らされた桜の花びらで埋められた鋪道を踏みしめながら帰路に着いたのだった。 がんばろう!友よ!君には確実に元気な明日が息づいているから。

 

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