2004年
3月9日(火)
其ノ七
「
夢中途 外れ馬券の 段ボール」
何だか悲しいようなせつけないような臭いのする句になってしまいました。思えば今から遡ること五年前、当時在籍した社員のWに誘われて初めてやった競馬。始めて一月も経たない頃、普通にありそうなビギナーズラックに僕も例に洩れず遭遇したんです。馬連は三万円を遥かに越え、更にワイドも三点的中で五百円づつ買ってあったので都合三十万円余りの払い戻しでした。(当時渋谷WINSは五百円単位でした)これがいわゆるいわく付きのレースだったんです。前々日、北海道で、ある厩舎が火災にあってエガオヲミセテという名馬をはじめ何頭かが焼死し、その週末のダイヤモンドステイクスでの事、焼けた厩舎の僚馬、ユーセイトップランが正にこのレースに出頭して来たんです。人気薄のこの馬が何と一着でゴールを駆け抜けてしまったのでした。僕は火災のあった厩舎に弔いを込めてこの馬から買ったのです。競馬に八百長はないと思いたいけれど、何か様々な思惑が隠されて(画されて?)いる事を本能的に感じその日から今日に至るまで嵌りに嵌ってしまっているのです。それは何か巨大な目に見えないシンジケ ートのような物への戦いのように・・・。勿論万馬券どころか何十万馬券も数多く取って来たけれど僕の復讐へのロマンはまだ完結していないのです。すぐ近くまで来ている事は間違いなく、まもなく平穏な土日が来ると思っています。机の足元にある外れ馬券の山は恰も夢の途中を象徴しているかのようなのです。悲しいような誇らしいような話なのです。
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